【Adox Silvermaxフィルム】

アドックス Silvermax 現像液におけるSilvermax フィルムは、私のお気に入りのミドルスピードフィルム (ISO 100/21°)です。
 
このフィルムは、ここ何年間も製造が行われていない元祖 Agfa APX 100に、非常によく似ています。
私はこのフィルムが持つトーンが好きです。
また Silvermax現像液の使用で、晴れた日のハイコントラストをコントロールできることも大変気に入っています。
 
全てのサンプルスキャンはストレートプリントです。ハイランドスプリットグレードの助けを借りて行われました。
 
フィルム:Adox Silvermax (ISO 100/21°)
フィルム現像液:Adox Silvermax
希釈:1+29、現像時間:8 分(20°C)、攪拌 :30/30/1
ペーパー: Adox MCP 24×30 cm
ペーパー現像液:Rollei RPN 、希釈:1+9

【Topics: アサヒカメラ 5月号はモノクロ大特集!】

4月20日発売のアサヒカメラ 5月号は、モノクロフィルムフォトグラフィのスペシャルコンテンツが満載。
全98ページに及ぶ「モノクロ写真愛!」大特集号です!是非ご覧になってみてください。

私たちシルバーソルトも「モノクロ愛にあふれるネットショップ」にご取材いただきました^^

【Updates:現像データ】

私たちは以下の新しい現像データを、シルソルのデータベースにアップデートしました。

– FP4+ および HP5+ の SPUR Acurol N における回転現像データ
– 数種フィルムの SPUR HRX における回転現像データ
– Kodak T3200 の SPUR Speed Major における現像データ
– ベルゲール パンクロ の SPUR HRX における現像データ

全てのデータはこちらの現像データリストで見つけることができます^^
http://www.silversalt-plus.com/TT

【ハイランド社引伸機用LED光源】

画像は、最近Durst 10×10 引伸機を所有されている方のご要望で、ハイランド社へ製作を依頼した特別仕様のLEDライトです。

設計の段階で、10x10 のLEDライトには、LEDとはいってもライトの数が大変多くなるため、ファンによる能動的な冷却が必要ということになりました。ファンは露光中は作動しないのですが、検討の結果、この仕様は望まれませんでした。
そこで、ヒートシンクによる受動的に冷却が行われる8×10サイズのライトが構築されました。

また、縦横に90°回転させることができる仕様にしたので、ポートレートモードとランドスケープモードの切り替えを行うことができます。

このLEDのコントロールにはハイランドのスプリットグレードを使用します。
LEDライトとスプリットグレードコントローラは、再現性の高い結果を素早く得るために、非常に快適な組み合わせです。すべての暗室作業人におすすめできる、素晴らしいツールなのです。

ドイツでは、暗室を持っている多くの人たちは、引伸機にこのスプリッツグレードコントローラ、LED光源を装備して、気楽で快適な暗室ライフを送っています。
この便利さや快適さがもっともっと日本の方にも知ってもらえたらいいのになー・・・とモーグはいつも思っています^^

【シャドウ&ハイライトディテールをKeep!:SPUR SLD x Rollei RPX 400】

SPUR SLD は、高感度現像液です。
シャドウディテールを失うことなく、フィルムにおける最高のスピード/最高感度を得ることができます。
コントラストは高くなりませんから、この点においてプッシュ現像液ではありません。
 
しかし、もちろん、 プッシュ現像液としてSPUR SLD を使用することもできます。
” プッシュ” とは、コントラストを高めることを意味します。
シャドーディテールは低くなります。また、ハイライトの高濃度を補正するために、フィルムをより高いISOで露出する必要があります。
 
以下の例は、 Rollei RPX 400を ISO 800/27°で露出したものです。
シーンの中にはコントラストが非常に高いものもありますが、このフィルムと現像液の組合せは、シャドウディテールとハイライトディテールを保持する点において非常に優れています。
 

【Spurの現像液について】

シュプールは、多種類の現像液を提供しています。

それら全てに共通しているのは、単なる古い現像液のリミックスやリネームなどではなく、本当の意味で「新しい現像液」であるということです。

これら現像液の背後にいる開発者のヘリバート・シェイン氏は、ケルンで写真工学を学び、1979年にフォトケミストリ(写真化学)エンジニアとしてのディプロマを修了しています。

彼の主な研究は「酸性およびアルカリ性のPh範囲における2,4-ジアミノフェノールの現像特性について」(「2,4-ジアミノフェノール」は「アミドール」としても知られています)でした。

今日では、デジタル写真に引き継がれたため、フォトケミストリを学べるこの学部は存在せず、もはや教える者の存在しない学問となってしまいました。
フォトケミストリは非常に複雑なトピックであり、通常の化学者はあまり知識を持っていません。フォトケミストリーは死にゆく科学なのです。

シェイン氏はまた、他の企業向けにも現像液を開発していますが、それらは”SPUR(シュプール)”のブランド名のもとでは販売されていません。

シュプールは、Adox CMS やAgfa Copex Rapid のようなドキュメントフィルムを、通常の写真撮影用途として使用可能にする特別な現像液のメーカーで知られています。
しかし、彼の「普通の」フィルム用の現像液もまた、例外なく素晴らしいものです。

シュプールのトレードマークは、非常に詳細なデータシートであり、フィルムをどのように露出し、現像するべきかについて正確に指示しています。
また、シェイン氏は、現像液の環境への悪影響を可能な限り小さく抑えるよう、常に努めています。

現像液の種類はかなり多いため、各現像液の特別な機能について、以下にごく短く要約しました。
どの現像液があなたの目的に適しているかの判断にお役立てください。

SPUR 製現像液クイックガイド:

Acurol N : 高シャープネス、細やかな色調
Dokuspeed SL : Agfa Copex Rapid専用ドキュメントフィルム特別現像液
HRX: 最微粒子現像液
SD 2525 : マイクロコントラスト、高シャープネス
SLD : 高感度現像液
Speed Major : 高感度現像液、プッシュ現像液
Nanotech UR : Adox CMS II および SPUR Othopan UR 専用ドキュメントフィルム特別現像液

【SPUR New Film Test: Orthopan UR with Nanotech UR】

シュプール社のヘリバート・シェイン氏は、非常に熟練の写真化学者です。
ワールドワイドで見ても世界最先端を行くフォトケミストであると言ってよいでしょう。

その彼の最新の現像液が、「SPUR Nanotech UR」です。
この現像液は、ドキュメントフィルムのためのもので、 ISO 50/18°の驚くほどの高感度に達します。

これについて、「SPUR オルソパン UR」フィルムとの使用で、最高感度 ISO 50/18°の素晴らしい結果が得られたことを、先日お伝えした通りです。

また、このフィルムはその高い解像度が評価され、ドイツ Oberkochen のZeiss社が、彼らのレンズの一つで解像度の記録を設定する際のフィルムに採用されています。

詳しくはこちらの3ページをご覧ください:
https://www.zeiss.com/…/…/pdf/en/cln_archiv/cln24_en_web.pdf
(現像は、ナノテク UR の前身バージョンで行われました)

さて、モーグはこの「SPUR オルソパン UR」フィルムで撮影テストを行いました。

以下は、「SPUR ナノテク UR」で現像された、「SPUR オルソパン UR」フィルムのサンプルスキャンです。
2通りの異なるフィルム感度 ISO 12/12° と ISO 50/18° で撮影されています。

異なるフィルム感度を有するフィルムは、一緒に現像することはできません。
また、異なるフィルム感度では、希釈度と現像時間もそれぞれ異なります。

ISO 12/12°で撮影されたフィルムは、正午の明るい日差しで撮影されています。
一方、ISO 50/18°で撮影されたフィルムは、曇りの日に撮影されています。

フィルムと現像液は、晴れた日の高コントラストを非常にうまく処理しています。
曇り日の撮影における現像は、N + 1現像に等しいです:ネガのコントラストが高くなります。

シュプール オルソパンURフィルム、シュプール ナノテクUR現像液、およびキットは、現在オンラインショップからご購入できます。

そして…ナノテクUR現像液は、Adox CMS II にもお使いいただけます。
非常に高感度 ISO 40/17° に達します!!

【Test:素晴らしい組合せ!ベルゲールパンクロ4x5とアドックスシルバーマックス現像液】

私モーグは、ベルゲールパンクロ4x5を、アドックスシルバーマックス現像液で現像を行いました。
私はこのコンビネーションが非常に好きです。

濃度グラフをご覧ください。
この現像液使用で公称感度ISO400/27以上に達しているのがわかります。
また、Zone 1における濃度(ログ密度)は0.18、非常に良好なシャドウディテールを提供しており、Zone 8あたりからの濃度グラフは少し平坦になり(コントラストが低くなる)、イコライジング効果を提供していることが分かります。

Zone 0~3のコントラストは少々強くなり、良好なシャドウコントラストを提供しています。
Zone 3~8間でグラフはDINグラフよりも少々平坦になります。
濃度はDINグラフよりも高くなるため、プリントの際は露光時間は少し長めにとります。
私のテイストにとって、これは完璧な濃度グラフです。

石橋の画像では、風景のコントラストは非常に強かったと言えます。しかし、太陽に照らされている橋の明るい側と、橋下バックグラウンドの暗い木々には、まだ十分なディテールがあります。

私が行った現像時間は11分でした(20℃)。希釈は1+29、JOBO CPE-3プロセッサで回転現像を行いました。

私は、まだ現像時間のテストを行っていませんが、 135と120フィルムの結果もまた優れていると期待しています。

ネガのプリントは簡単に行えます。
私はディフューザー引伸機を使用するため、(DINグラフ同様のデルタとガンマ(勾配)を持つ濃度グラフと比較して)0.5~1グレード高いコントラスト使用するべきと推測しています。

このフィルムと現像液の組み合わせは非常にお勧めできるものです!
(画像は直接スキャンしたものであり、プリントではありません。)

あなたがお使いのフィルムに、より一般的なグラフ(DINに近い曲線)をお好みでしたら、ローライスーパーグレイン現像液がよいでしょう。
スーパーグレインの場合は、ベルゲールパンクロ4x5をISO200/24で撮影、希釈は1+19、現像時間8分45秒、20℃で回転現像を行いました。