【SPUR Acurol N 現像液について – パート1】

SPUR Acurol Nは、以下のようにAdox Rodinalと非常によく似た特徴を持っています。

  • 非常に高いシャープネス
  • 高希釈
  • 美しい粒状性
  • 超長期保存可能

ここではSPUR Acurol Nについて、Adox Rodinalと比較しながら述べていきたいと思います。

多くのロディナルのコピー品の場合、現像液が古くなると、現像時間のテストを新たに行う必要があります。オリジナルのAdox Rodinalは、古くなっても非常に長い時間、同じ現像時間を維持します。保存期間が長いAcurol Nも、古くなった現像液でも新鮮な現像液と同じ現像時間を長い間、安定して使うことができます。

Adox RodinalとSPUR Acurol N では、現像液が大きく異なるため、現像のダイナミクスは大きく異なります。ロディナルの現像結果は、現像時間ではうまくコントロールできません。希釈でコントロールするのがよいでしょう。一方、Acurol N は現像時間と希釈でコントロールができます。Rodinalを高濃度に希釈するとフィルム(特にハイライト部)が完全に現像されないため、補填効果が生じます。高濃度に希釈したAcurol N は、ネガを完全に現像しシャープネス(エバーハード効果)を高めます。

どちらの現像液も、異なる攪拌リズムに強く反応します。撹拌が強ければコントラストが高くなります。また、Acurol N は撹拌を減らすことで、より強調された粒子が得られます。

なおこれらの現像液では、もちろん(他の現像液と同様)スタンド現像はお勧めできません。スタンド現像は現像ムラやフィルム感度低下、コントラスト低下を招く可能性が高いため、フィルムの現像方法としては最悪です。適切な現像には攪拌工程が必要です。

Acurol N は非常に汎用性の高い現像剤です。データシートに記載されている現像時間は、優れた結果をもたらします。しかし、実験したい写真家にとってAcurol N は結果を自分の好みに調整するための多くのパラメーターを提供してくれます。これは、ドイツで最後に研究を行ったフィルム化学者の一人であるHeribert Schain(ヘリバート・シェイン)氏による、現代のフィルム現像剤の真の傑作と言えます。

下の写真は、Ralf Sänger がRollei Ortho 25 120で撮影したものです。
木のシャープさが際立っているのがわかると思います。3枚目の写真は、2枚目の写真のネガのディテールを示しています。

現像液:Acurol N
フィルム:Rollei Ortho 25 120
希釈 :1+200
間 :33分
温度 :20℃
撹拌 :30/300/2

フルサイズ画像は下記をクリックしてください。

画像1
画像2
画像3

画像は直接スキャンしたものです。
画像処理ソフトでコントラストやシャープネスを変更していません。