【Test:SPURの新現像液HCT】

SPURの新しい現像液、製品名はHCT、これはHigh Contrast Technicalの略です。
 
あなたはたぶん「ああ、テクニカルな現像液か、自分には関係ないや・・」と思うかもしれません。
ですがこの現像液は、使用できる希釈度に非常に広い幅を持っています。
 
希釈度が低いほど、コントラストは高くなります。
ですから希釈が十分に高ければフィルムは通常コントラストに現像することができます。
 
コントラストが低い傾向にあるフィルムを使用して、通常コントラストを望むような場合にHCT を使用すれば、「これは使える!」となるでしょう。
 
コントラストが低い傾向があるフィルムには、Rollei RPX 400 、Foma Retropan 320 や Ilford Delta 3200 があります。
 
以下は、RPX400とRetropan 320を使用して作成した、HCTのテスト現像の結果です。比較として標準DINグラフを青色で示してあります。
 
Retropan 320のグラフでは、Retropan スペシャル現像液を使用した場合も、黄色グラフであわせて示しています。
赤色グラフはHCTの濃度を示していますが、これを見るとゾーン4~8にかけてグラフが蹴り上がっていて、それ以降の高いゾーンでは少しだけフラットになっています。あなたが中間ゾーンでハイコントラストを好む場合、興味深い見栄えのあるネガとなるかもしれません。
 
RPX400は、大きな直線とゾーン8から始まる補正効果を示しています。
このことは、「このフィルムの買求めやすい価格は気に入っているが、コントラストを低下させる傾向が気に入らなかった・・」という方にとっては、本当に良いニュースです!
 
また、この現像液は、ペーパー用としても使用できます。
私は、いくつかのFomaペーパーのように、乳剤に現像剤が埋め込まれていないようなペーパーへの使用に、特におすすめです(逆に現像剤が埋め込まれているペーパーにはそこまで強く反応しません)。
 
大きな引伸ばしを行った場合、ハードフィルタを使用したとしてもプリントのコントラストは低くなってしまいます。SPUR HCTは、そのようなBIGプリントで、高コントラストを得る助けとなってくれます。
 
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