Your Analogue Specialist
Adox CHS 100 と CHS 50 の 4×5 サイズもありました。
このフィルムは Efke が Adox のために作ったものですが、実は、このフィルムの背後には興味深いストーリーがあります。
元々、このフィルムは世界で最初の写真マテリアルメーカー、ドイツの Fotowerke Dr. Schleussner 社によって作られたものです。
このフィルムは Schleussner 社に属していた Adox ブランド (ADOX はAktiengesellschaft Doktor C. Schleussner の略) の元で販売されました。
この時点ではまだフィルム名はCHSではありませんでした。
それが 60年代には販売権が DuPont(デュポン社)へ渡り、そこから70年代にクロアチアの Fotokemika(フォトケミカ社)へ渡りました。Fotokemikaでこのフィルムは Efke(エフケ)のブランド名で販売されていました。
その後、2000年代初頭に新しい Adox が設立され、Fotokemika 製のEfkeフィルム(=CHS)は、ここで巡り巡って元のブランド名 Adox CHSに戻ったのです。
現在、Adoxは、CHSをマーケットに戻すために、懸命に取り組んでいます。
次回からの乳剤、コーティング、スライス工程の全てをAdoxによって完全に行うべく取り組んでいるプロジェクトですが、これには非常に高額なコストと時間がかかります(かかり続けています)。
もし、これを読んでくださっている皆さんがこのプロジェクトをサポートしたいと思われたなら(CHSフィルムの再開を心待ちにしてくださっているあなた!)、Adox の薬品とペーパーを購入し使用していくことが最善のサポートになります。
私たちはもちろんそれを行っており、またこれからもAdoxへのサポートを続けていきます。
私モーグは、Agfa 製品(Adoxの多くのアイテムはAgfaの旧製品をベースにしています)と、Adox 製品を33年間にわたり使用し続けています。
ですから、何かご不明に思うことがありましたら、なんでもお尋ねください!
私たちは以下の新しい現像データを、シルソルのデータベースにアップデートしました。
– FP4+ および HP5+ の SPUR Acurol N における回転現像データ
– 数種フィルムの SPUR HRX における回転現像データ
– Kodak T3200 の SPUR Speed Major における現像データ
– ベルゲール パンクロ の SPUR HRX における現像データ
全てのデータはこちらの現像データリストで見つけることができます^^
http://www.silversalt-plus.com/TT
画像は、最近Durst 10×10 引伸機を所有されている方のご要望で、ハイランド社へ製作を依頼した特別仕様のLEDライトです。
設計の段階で、10x10 のLEDライトには、LEDとはいってもライトの数が大変多くなるため、ファンによる能動的な冷却が必要ということになりました。ファンは露光中は作動しないのですが、検討の結果、この仕様は望まれませんでした。
そこで、ヒートシンクによる受動的に冷却が行われる8×10サイズのライトが構築されました。
また、縦横に90°回転させることができる仕様にしたので、ポートレートモードとランドスケープモードの切り替えを行うことができます。
このLEDのコントロールにはハイランドのスプリットグレードを使用します。
LEDライトとスプリットグレードコントローラは、再現性の高い結果を素早く得るために、非常に快適な組み合わせです。すべての暗室作業人におすすめできる、素晴らしいツールなのです。
ドイツでは、暗室を持っている多くの人たちは、引伸機にこのスプリッツグレードコントローラ、LED光源を装備して、気楽で快適な暗室ライフを送っています。
この便利さや快適さがもっともっと日本の方にも知ってもらえたらいいのになー・・・とモーグはいつも思っています^^
シュプールは、多種類の現像液を提供しています。
それら全てに共通しているのは、単なる古い現像液のリミックスやリネームなどではなく、本当の意味で「新しい現像液」であるということです。
これら現像液の背後にいる開発者のヘリバート・シェイン氏は、ケルンで写真工学を学び、1979年にフォトケミストリ(写真化学)エンジニアとしてのディプロマを修了しています。
彼の主な研究は「酸性およびアルカリ性のPh範囲における2,4-ジアミノフェノールの現像特性について」(「2,4-ジアミノフェノール」は「アミドール」としても知られています)でした。
今日では、デジタル写真に引き継がれたため、フォトケミストリを学べるこの学部は存在せず、もはや教える者の存在しない学問となってしまいました。
フォトケミストリは非常に複雑なトピックであり、通常の化学者はあまり知識を持っていません。フォトケミストリーは死にゆく科学なのです。
シェイン氏はまた、他の企業向けにも現像液を開発していますが、それらは”SPUR(シュプール)”のブランド名のもとでは販売されていません。
シュプールは、Adox CMS やAgfa Copex Rapid のようなドキュメントフィルムを、通常の写真撮影用途として使用可能にする特別な現像液のメーカーで知られています。
しかし、彼の「普通の」フィルム用の現像液もまた、例外なく素晴らしいものです。
シュプールのトレードマークは、非常に詳細なデータシートであり、フィルムをどのように露出し、現像するべきかについて正確に指示しています。
また、シェイン氏は、現像液の環境への悪影響を可能な限り小さく抑えるよう、常に努めています。
現像液の種類はかなり多いため、各現像液の特別な機能について、以下にごく短く要約しました。
どの現像液があなたの目的に適しているかの判断にお役立てください。
SPUR 製現像液クイックガイド:
Acurol N : 高シャープネス、細やかな色調
Dokuspeed SL : Agfa Copex Rapid専用ドキュメントフィルム特別現像液
HRX: 最微粒子現像液
SD 2525 : マイクロコントラスト、高シャープネス
SLD : 高感度現像液
Speed Major : 高感度現像液、プッシュ現像液
Nanotech UR : Adox CMS II および SPUR Othopan UR 専用ドキュメントフィルム特別現像液
シュプール社のヘリバート・シェイン氏は、非常に熟練の写真化学者です。
ワールドワイドで見ても世界最先端を行くフォトケミストであると言ってよいでしょう。
その彼の最新の現像液が、「SPUR Nanotech UR」です。
この現像液は、ドキュメントフィルムのためのもので、 ISO 50/18°の驚くほどの高感度に達します。
これについて、「SPUR オルソパン UR」フィルムとの使用で、最高感度 ISO 50/18°の素晴らしい結果が得られたことを、先日お伝えした通りです。
また、このフィルムはその高い解像度が評価され、ドイツ Oberkochen のZeiss社が、彼らのレンズの一つで解像度の記録を設定する際のフィルムに採用されています。
詳しくはこちらの3ページをご覧ください:
https://www.zeiss.com/…/…/pdf/en/cln_archiv/cln24_en_web.pdf
(現像は、ナノテク UR の前身バージョンで行われました)
さて、モーグはこの「SPUR オルソパン UR」フィルムで撮影テストを行いました。
以下は、「SPUR ナノテク UR」で現像された、「SPUR オルソパン UR」フィルムのサンプルスキャンです。
2通りの異なるフィルム感度 ISO 12/12° と ISO 50/18° で撮影されています。
異なるフィルム感度を有するフィルムは、一緒に現像することはできません。
また、異なるフィルム感度では、希釈度と現像時間もそれぞれ異なります。
ISO 12/12°で撮影されたフィルムは、正午の明るい日差しで撮影されています。
一方、ISO 50/18°で撮影されたフィルムは、曇りの日に撮影されています。
フィルムと現像液は、晴れた日の高コントラストを非常にうまく処理しています。
曇り日の撮影における現像は、N + 1現像に等しいです:ネガのコントラストが高くなります。
シュプール オルソパンURフィルム、シュプール ナノテクUR現像液、およびキットは、現在オンラインショップからご購入できます。
そして…ナノテクUR現像液は、Adox CMS II にもお使いいただけます。
非常に高感度 ISO 40/17° に達します!!
私モーグは、ベルゲールパンクロ4x5を、アドックスシルバーマックス現像液で現像を行いました。
私はこのコンビネーションが非常に好きです。
濃度グラフをご覧ください。
この現像液使用で公称感度ISO400/27以上に達しているのがわかります。
また、Zone 1における濃度(ログ密度)は0.18、非常に良好なシャドウディテールを提供しており、Zone 8あたりからの濃度グラフは少し平坦になり(コントラストが低くなる)、イコライジング効果を提供していることが分かります。
Zone 0~3のコントラストは少々強くなり、良好なシャドウコントラストを提供しています。
Zone 3~8間でグラフはDINグラフよりも少々平坦になります。
濃度はDINグラフよりも高くなるため、プリントの際は露光時間は少し長めにとります。
私のテイストにとって、これは完璧な濃度グラフです。
石橋の画像では、風景のコントラストは非常に強かったと言えます。しかし、太陽に照らされている橋の明るい側と、橋下バックグラウンドの暗い木々には、まだ十分なディテールがあります。
私が行った現像時間は11分でした(20℃)。希釈は1+29、JOBO CPE-3プロセッサで回転現像を行いました。
私は、まだ現像時間のテストを行っていませんが、 135と120フィルムの結果もまた優れていると期待しています。
ネガのプリントは簡単に行えます。
私はディフューザー引伸機を使用するため、(DINグラフ同様のデルタとガンマ(勾配)を持つ濃度グラフと比較して)0.5~1グレード高いコントラスト使用するべきと推測しています。
このフィルムと現像液の組み合わせは非常にお勧めできるものです!
(画像は直接スキャンしたものであり、プリントではありません。)
あなたがお使いのフィルムに、より一般的なグラフ(DINに近い曲線)をお好みでしたら、ローライスーパーグレイン現像液がよいでしょう。
スーパーグレインの場合は、ベルゲールパンクロ4x5をISO200/24で撮影、希釈は1+19、現像時間8分45秒、20℃で回転現像を行いました。