フィルムから、一枚の写真へ

SmartLabで楽しむフルアナログのプリント


現像したら、もう半分

フィルムを現像しただけでは、写真づくりはまだ半分です。
フィルムで撮影したなら、次はそのネガを引き伸ばし機にかけて、印画紙にプリントします。そうして初めてアナログ写真のプロセスが完成します。
そして手元に残るのは、撮影した瞬間に頭の中にあったイメージを自分の手で一枚の写真にしたものです。

ネガから一枚の写真を作る楽しさ

私自身、ネガから写真をプリントする作業がとても好きです。
デジタル写真のように、一つひとつのピクセルまで思い通りにコントロールできるわけではありません。だからこそある程度の妥協も必要になります。
そして自分の手を使って一枚の写真を仕上げていくので、ちょっとした職人仕事のような面白さもあります。
写真を撮る際には、すでに完成したプリントのイメージを頭の中に描いておくことが大事です。ですから、ネガは目指すプリントの仕上がりに近いものである必要があります。
始めること自体はそれほど難しくありません。でも、やればやるほど奥深いものです。少しずつ経験を積みながら自分なりのプリントを追求していけるのも、このプロセスの大きな魅力です。

ただ、ここで一つ問題があります。
プリントを始めるにはもちろん引き伸ばし機が必要です。しかし、状態の良いきちんと使える引き伸ばし機を見つけるのは、意外と簡単ではありません。
さらに故障したときの交換部品や、サイズの違うネガキャリアのようなオプションパーツを探そうとしても、なかなか見つからなかったり、そもそも手に入らなかったりします。
せっかく「プリントを始めてみたい」と思っても、ここで足踏みしてしまうことがあります。
でも、引き伸ばし機は必ずしも大きくて扱いの難しいものである必要はありません。

そこでおすすめしたいのがSmartLabの引き伸ばし機です。
SmartLabは軽くてコンパクト。それでいてシンプルながらよく考えられた設計になっています。
大きな引き伸ばし機を置くための広い暗室を用意する必要もありません。限られたスペースでも無理なく使えるので、自宅でプリントを始めたい人にもぴったりです。
そしてもう一つ大きな魅力が手の届きやすい価格であることです。
「暗室を作るのは大変そう」「引き伸ばし機は高そう」とプリントを始めるのをためらっていた人にとって、SmartLabはそのハードルをぐっと下げてくれます。

SmartLab 35 / 120 ― 小さくてもできることは多い

SmartLabには、35mm用のSmartLab 35と中判用のSmartLab 120の2種類があります。

■ SmartLab 35

SmartLab 35はハーフサイズから35mm判までプリントできます。
驚くほどコンパクトで軽量なのも大きな特徴。そしてカメラで使っているレンズと同じレンズを使うことができます。レンズやカメラのメーカーに合わせた各種アダプターも用意されています。

■ SmartLab 120

SmartLab 120は、ハーフサイズから6×9まで幅広いフォーマットに対応しています。
35mmから中判まで、自分が普段使っているフィルムに合わせて選べるのもSmartLab120の魅力です。

そして35と120のどちらにも共通するのが、スマートフォンのアプリで操作できること
カラーでもモノクロでもプリントでき、露光の設定などをアプリからコントロールできます。
さらに光源にはLEDを採用しています。
従来のランプを使った引き伸ばし機のように、光源の発熱を気にする必要がありません。また、使っているうちに光源の色が変化してしまう心配もありません。
LEDそのものの寿命も非常に長く、メンテナンスの面でも扱いやすい光源です。

SmartLabにはコンパクトなボディに必要な機能がきちんと詰め込まれています。

写真を最後まで自分の手で

私自身、SmartLabの引き伸ばし機を使うのはとても楽しいと感じています。
シンプルで扱いやすく、しかも軽い。場所を取らないので大きな暗室を用意できない人にもぴったりです。
これからプリントを始める人にはもちろん、すでに暗室プリントを楽しんでいる経験者にとっても、使いやすく自由度の高い引き伸ばし機だと思います。
もしこれまでフィルムをスキャンしてインクジェットプリンターでプリントしていたのなら、ぜひ一度、最初から最後までアナログで写真を仕上げる楽しさを試してみてほしいと思います。

撮影した写真が最後には自分の手で一枚の「写真」になる、その過程にはデジタルでは味わえない楽しさがあります。

SmartLabなら誰でも簡単にプリントを始められます。
撮影から完成したプリントを手にするまで、アナログのプロセスを最後までご自身で仕上げてみませんか?

【Tips : 大きな粒子をプリントする】

私が写真を始めた頃、先生は粒子をできるだけ小さく、目立たなくする方法を教えてくれました。
雑誌や本にも、ネガを粒状にしないためのアドバイスがたくさん載っていました。これは1983年のことで、もちろんそれ以来多くのことが変わりました。
今では多くの人がフィルムで撮影したものを好んで見せますし、そこに多少の粒状性が現れていても見せることを恥じたりしません。

以下、必ずしもネガにではなく、プリントに大きな粒状感を出す方法を説明したいと思います。(しかしもちろん、ネガは常にプリントの仕上がりに重要な役割を果たします)。

まず、高感度フィルムを選びます。通常はISO400/27°が良い選択です。
フィルムを露光するときは、いつもより少し多めに露光します。現像液が求めるよりも1~2DIN多いかもしれません。

ISO3200/36°と宣伝されているフィルム(ボックススピード)を使う場合は、ISO800/30°またはISO1000/31°で露光するのがベストです。
これらのフィルムは、一見非常に高い感度に到達するために必要な積極的な現像を補うために、低コントラスト乳剤を使用しています。そうでなければ、ISO 3200/36°のEIでコントラストが一気に上がってしまいます。

もちろん、現像液は粒子の細かいものではなく、粒状性を強調するものを選びます。
Adox RodinalSPUR Speed MajorSPUR SLDあたりが思い浮かびます。

重要なのはフィルムをプッシュしないことです。逆のことをします。コントラストを通常より低く保ちます。
プッシュするとコントラストが上がり、ハイライトがプリントしにくくなります。
ネガのコントラストが高いときは、トーンを保つためにコントラストを低くしてプリントする必要があります。
低コントラストでプリントすると、通常、プリントの粒子が小さくなりますが、この代わりに、作成した低コントラストのネガを高コントラストフィルターでプリントすることで、プリントに大きな粒子を作ることができます。

Delta 3200 @ 1000, SPUR Ultraspeed Vario (生産終了品), Adox MCP (Grade 3.7)

【カラー引伸機のキャリブレーション】

スプリットグレードをお使いでない場合、特定のコントラストを得るために、カラー引伸機のイエローフィルターやマゼンタフィルターをどのように設定すればよいのか、見当をつけるのは難しいと思います。系統立ててプリントするには、テストをするのが一番です。
注*掲載のテストデータは、使用印画紙および私モーグの引伸機に対してのみ有効なものですので、個々人でテストデータの作成を行う必要があります。

1枚目の写真は、すべてのテストプリントを作成するにあたり使用したハイランド濃度計とストゥファのステップウェッジです。
2枚目は、特定のコントラストを得るために、イエローおよびマゼンタフィルターのダイヤルのどの値を設定すべきかを示しています。
3枚目は、露光時間の修正値を示しています。この修正値はコントラストを変更してもゾーン8の濃度が変わらないようにするためのものです。
例えばコントラストをグレード2から3に変更した場合、ゾーン8で同じハイライトを得るためには、露光時間を1/3ストップ(0.3 logD = 1ストップ)長くする必要があります。

この例はカラー用引伸機の場合です。しかし、白黒用の引伸機であっても、このテストを実施することで使用する材料や機器についてより深く知ることができます。