【Tips:3ストップ露出オーバーのフィルム現像について】

最近、RPX400 120を3ストップ露出オーバーで撮影されたフィルムの現像サービスをお引き受けしました。
ISO 400/27°の代わりに、誤ってISO 50/18°で撮影してしまい、そのフィルムが私たちの元に届きました。

私モーグは、次の現像方法をテストしたところ、驚くほど良い結果が得られました。
ですので、皆さんとシェアしたいと思います。

希釈:(Adoxロディナル使用)1 + 99
温度:16℃
時間:40分
攪拌:30/300/2

テスト現像を行うにあたり、最初に考慮するべき事は「高希釈された現像液および低い攪拌は、非常に高い補正効果をもたらす」ということです。
これは、非常に露出オーバーのハイライト部を制御するのに重要です。
また、低い温度は現像プロセスを遅くするのに役立ちます。

ここで留意しなければならない点が1つあります。
「ロジナールには、120または135フィルムあたり最低5mlの現像液濃縮液が必要である」ということです。

135mmフィルム1本を250ml容量の小さなJOBOタンクで現像する場合、2.5mlの現像濃縮液が使用されることになりますが、これでは足りません。
ですから、500ml容量の大きなタンクを使用し、その中で135フィルムを1本だけ現像することをお勧めします。
そして、5分ごとに攪拌することをお勧めします。十分に攪拌しないとフィルムに筋が入るリスクがありますので。

以下は、この現像方法をテストするために撮影した、ネガのダイレクトスキャンです(このスキャンからほこりを取り除いていませんのであしからず)。
シャドウディテールはもちろん優れています。大変露出オーバーなのであとは何も期待してはいけませんね^^

Update:Adox Rodinalページ!

現在も生産される最古の現像液Rodinal。非常にシャープかつ多才な現像液ゆえ独自のページを作りました。

現ロジナールユーザーの方に情報を少し追加しましたが、将来のロジナールユーザーの方にとっても役立ててもらえるのではと思います^^ 

http://rodinal.jp

新製品:Adox HR-Devってどうなの?

つい先日、アドックスよりリリースされた期待の新製品、Adox HR-Dev について、もう少し詳しくお伝えしようと思います^^

HR-Dev は、高いベース感度およびハイライトの補正効果を持つ、高感度現像液です。
このことはHR-Dev が、高いフィルム感度において非常に良好な諧調が得られることを意味しています。
また、高いシャープネスに加えて(高感度現像液の中では)相対的に細かい粒子を有します。

私たちは、この現像液を Adox HR-50フィルムにだけではなく、他のフィルムにもご使用になることをお勧めします。高いフィルム感度で撮影を行う場合は特にです。Kodak Tri X、T-max、HP5 +で素晴らしい結果が得られます。

HR-Dev は、SPUR SLDに似ていますが、増感にはより適しています。
ただ、SLDでより素晴らしい結果を出すイルフォードデルタ400は例外です。

またSLDとの違いということでは、HR-Devはイソアスコルビン酸を現像主薬に使用されていないことがそのひとつに挙げられます。

HR-Dev が SPUR SLDより増感に適しているとはいっても、SPUR Speed Major ほどではありません。
HR-Dev はSpeed Major に比べ、より優れた階調性を備えているのでコントラストはやや低くなります。
ベース感度はHR-Dev とSpeed Major は同じです。

たとえば、双方の現像液で、通常コントラストで Ilford FP4+は ISO 200/24°に達します。
一方、双方の現像液の違いは、Adox Silvermaxフィルムに見ることができます。Speed Majorでは、 ISO 200/24°でコントラスト N+1、HR-Dev では、フィルムは同感度でノーマルコントラストを保ちます。

あなたが高いフィルム感度で撮影したい場合、HR-Dev は素晴らしい現像液です。
太陽の光が弱くなる今からの時期に、特におすすめします!

HR-Dev / HR-50 製品ページ

HR-Dev の現像データを追加しました