攪拌リズムの違いによって、効果にどのような違いが出るかテストを行いました。
以下に例を示します。
フィルムはRollei Retro 400S 135、現像液はSPUR Silversaltです。
3つのテスト全てにおいて露出(ISO 100/21°)、希釈(1+30)、現像時間(14分)、温度(20℃)は同条件、攪拌のみを変更して行いました。
攪拌リズムは以下の3通り:
・30/60/1 (最初の30秒連続攪拌、その後は1分ごとに1回)☜Silversalt現像での標準的攪拌
・30/60/2 (最初の30秒連続攪拌、その後は1分ごとに2回)
・30/30/1 (最初の30秒連続攪拌、その後は30秒ごとに1回の反転攪拌を時間がくるまで繰り返す)
結果は非常に興味深いものであり、攪拌によってこのフィルムのコントラストがどのようにコントロールできるかを示しています。
図は、攪拌リズムによって色別に示した濃度グラフです。
・赤線(30/60/1):攪拌がSilversalt現像液の標準的な攪拌(30/60/1)で行われた場合、ゾーン6付近からコントラストが弱くなります。
・緑線(30/60/2):攪拌間の時間は同じであるが、反転の回数を変えた場合、濃度はゾーン6付近から強くなります。
・黄線(30/30/1):攪拌間の時間が短い場合(30秒)、シャドウ部から濃度が高くなります。
これにより(30/60/1ではゾーン6からのコントラストが弱いことから)、Silversalt 現像液のデータシートで、特定のフィルムに 30/60/2 の攪拌を推奨しています。
このテストでは、攪拌リズムの違いによってコントラストの制御が行えるということを示しています。
この例で挙げている効果は、必ずしも他のフィルムに転用できるわけではないことに注意してください。お使いになるフィルムでテストを行い、ご自分のスタイルに最適な結果を使用されることをお勧めします。