【Sample Photos: RPX 400 120 x SPUR Silversalt現像液】

以下は、SPUR Silversalt現像液による、Rollei RPX 400 120のサンプルフォトです。
RPX 400 120は、ISO 320/26°で露出されました。現像データは以下の通りです:
希釈: 1+20
温度: 22°C
現像時間:14分
攪拌: 30/60/1

最初と2番目の写真は、コントラストが非常に強いです。
早朝の太陽の直射日光が、非常に強いハイライトを作っています。
RPX 400は、コントラストが低めのフィルムですので、低コントラスト現像(プル現像)はしませんでした。
フィルム乳剤が私に有利に働いてくれました。

3番目の写真は日射しのない中で撮影されました。
SPUR Silversalt現像液が生み出すディテールコントラスト(細部におけるコントラスト)をここで見ることができます。
シャッターの錆がくっきり、コントラストも良好です。
店の看板、カーテンや壁の汚れも同様です。
本来、RPX 400は極小粒子乳剤ではありませんが、全ての画像に比較的細粒子が認められます。

【Update:SPUR Silversalt現像液xAdox CHS 100 II 】

SPUR Silversalt現像液でのAdox CHS 100 IIのテスト結果です。
☟以下は、このようなグラフに慣れていない方に向け簡単に説明いたします☟
このグラフは、ネガの各グレートーンの「銀濃度」が、どのくらい高いかを示しています。
横軸は、ゾーンを表します。左側はシャドウ、右側はハイライトです。ゾーン5はミディアムグレーを表します。
縦軸は濃度を表します。低い値は、ネガ上でクリアな領域を表します。
青線グラフは標準線です。これは、値を比較するために使用されます。

Adoxは、CHSフィルムの見栄えは1960年代からのままであると主張しています。
グラフの緩やかなS字曲線を見るに、この主張は正しいと言えます。
シャドウは少し弱く(青の標準グラフより濃度が低い)、ミドルトーンのコントラストはわずかに強くなっており(標準グラフよりもグラフの傾きが急)、ハイライトは非常に柔らかくクリーミーです(標準グラフよりも傾きが小さい)。

通常コントラスト(N)の場合、紫グラフのデータをお勧めします。
希釈:1 + 30
温度:24°C
現像時間:14分
攪拌:30/60/1

緑グラフは、より強いコントラスト(N + 1)を表します。
希釈:1 + 20
温度:24°C
現像時間:12分
攪拌:30/60/1

紫グラフのミドルトーンの濃度が高すぎると感じる場合は、黄グラフのデータを使用してください。

非常に明るくソフトなコントラストのネガには、赤グラフのデータを使用できます。
ただし、「通常の」外観のネガが必要な場合、このデータはお勧めしません。

フィルムのシャドウはやや弱いですから、より良いシャドウディテールを求める場合、ISO 80/20°での撮影をお勧めします。

【Silversalt 現像液:攪拌リズムによるコントラスト制御】

攪拌リズムの違いによって、効果にどのような違いが出るかテストを行いました。

以下に例を示します。

フィルムはRollei Retro 400S 135、現像液はSPUR Silversaltです。

3つのテスト全てにおいて露出(ISO 100/21°)、希釈(1+30)、現像時間(14分)、温度(20℃)は同条件、攪拌のみを変更して行いました。

攪拌リズムは以下の3通り:

・30/60/1 (最初の30秒連続攪拌、その後は1分ごとに1回)☜Silversalt現像での標準的攪拌

・30/60/2 (最初の30秒連続攪拌、その後は1分ごとに2回)

・30/30/1 (最初の30秒連続攪拌、その後は30秒ごとに1回の反転攪拌を時間がくるまで繰り返す)

結果は非常に興味深いものであり、攪拌によってこのフィルムのコントラストがどのようにコントロールできるかを示しています。

図は、攪拌リズムによって色別に示した濃度グラフです。

・赤線(30/60/1):攪拌がSilversalt現像液の標準的な攪拌(30/60/1)で行われた場合、ゾーン6付近からコントラストが弱くなります。

・緑線(30/60/2):攪拌間の時間は同じであるが、反転の回数を変えた場合、濃度はゾーン6付近から強くなります。

・黄線(30/30/1):攪拌間の時間が短い場合(30秒)、シャドウ部から濃度が高くなります。

これにより(30/60/1ではゾーン6からのコントラストが弱いことから)、Silversalt 現像液のデータシートで、特定のフィルムに 30/60/2 の攪拌を推奨しています。

このテストでは、攪拌リズムの違いによってコントラストの制御が行えるということを示しています。

この例で挙げている効果は、必ずしも他のフィルムに転用できるわけではないことに注意してください。お使いになるフィルムでテストを行い、ご自分のスタイルに最適な結果を使用されることをお勧めします。