相性抜群!Kodak Tri X と SPUR Speed Major 現像液

以下は、ISO 800/30°で露出されたTri X 135のサンプル写真です。
コントラストはすっきり、ハイライトは吹き飛ばされていません。

ランプの写真のハイライトは、フラッシングや焼きこみによって(そこによりディテールを得ることができ)簡単に救済可能です。

全ての写真は何の操作もせずネガから直接スキャンしたものです。

SPUR Speed Major 現像液

Tips:SPURの秀逸ボトルは捨てずに再利用!

SPURが素晴らしいのは、最高の現像液とデータシートだけではありません、薬品が入っている製品ボトルもまたしかりです。

ブラウンカラーのプラボトルは、酸素がボトルに入るのをブロックする非常に高価なものが採用されています。また、キャップ内側のシールも気密性をより高めるのに貢献しています。
ボトルから液体を注ぐのが簡単に行え、またプラスチックボトルはガラス瓶と違って暗室での保管が安全に行えます。

機能良し、使い勝手良しの有用なボトルですから、捨ててしまうのはあまりにももったいない!
空になったボトルは保管し、他の現像液の保管ボトルとして再利用することをおススメします。

あるいは、500mlボトルの現像液を半分使用したら、保管しておいた250mlボトルに移し替えることによってボトル内部で薬品が多量の酸素に触れるのを避けることができます。

もちろん、ボトルは再使用する前によく洗浄して下さいね^^

【Test:SPURの新現像液HCT】

SPURの新しい現像液、製品名はHCT、これはHigh Contrast Technicalの略です。
 
あなたはたぶん「ああ、テクニカルな現像液か、自分には関係ないや・・」と思うかもしれません。
ですがこの現像液は、使用できる希釈度に非常に広い幅を持っています。
 
希釈度が低いほど、コントラストは高くなります。
ですから希釈が十分に高ければフィルムは通常コントラストに現像することができます。
 
コントラストが低い傾向にあるフィルムを使用して、通常コントラストを望むような場合にHCT を使用すれば、「これは使える!」となるでしょう。
 
コントラストが低い傾向があるフィルムには、Rollei RPX 400 、Foma Retropan 320 や Ilford Delta 3200 があります。
 
以下は、RPX400とRetropan 320を使用して作成した、HCTのテスト現像の結果です。比較として標準DINグラフを青色で示してあります。
 
Retropan 320のグラフでは、Retropan スペシャル現像液を使用した場合も、黄色グラフであわせて示しています。
赤色グラフはHCTの濃度を示していますが、これを見るとゾーン4~8にかけてグラフが蹴り上がっていて、それ以降の高いゾーンでは少しだけフラットになっています。あなたが中間ゾーンでハイコントラストを好む場合、興味深い見栄えのあるネガとなるかもしれません。
 
RPX400は、大きな直線とゾーン8から始まる補正効果を示しています。
このことは、「このフィルムの買求めやすい価格は気に入っているが、コントラストを低下させる傾向が気に入らなかった・・」という方にとっては、本当に良いニュースです!
 
また、この現像液は、ペーパー用としても使用できます。
私は、いくつかのFomaペーパーのように、乳剤に現像剤が埋め込まれていないようなペーパーへの使用に、特におすすめです(逆に現像剤が埋め込まれているペーパーにはそこまで強く反応しません)。
 
大きな引伸ばしを行った場合、ハードフィルタを使用したとしてもプリントのコントラストは低くなってしまいます。SPUR HCTは、そのようなBIGプリントで、高コントラストを得る助けとなってくれます。
 
SPUR HCTはこちらからどうぞ:

【Updates:現像データ】

私たちは以下の新しい現像データを、シルソルのデータベースにアップデートしました。

– FP4+ および HP5+ の SPUR Acurol N における回転現像データ
– 数種フィルムの SPUR HRX における回転現像データ
– Kodak T3200 の SPUR Speed Major における現像データ
– ベルゲール パンクロ の SPUR HRX における現像データ

全てのデータはこちらの現像データリストで見つけることができます^^
http://www.silversalt-plus.com/TT

【シャドウ&ハイライトディテールをKeep!:SPUR SLD x Rollei RPX 400】

SPUR SLD は、高感度現像液です。
シャドウディテールを失うことなく、フィルムにおける最高のスピード/最高感度を得ることができます。
コントラストは高くなりませんから、この点においてプッシュ現像液ではありません。
 
しかし、もちろん、 プッシュ現像液としてSPUR SLD を使用することもできます。
” プッシュ” とは、コントラストを高めることを意味します。
シャドーディテールは低くなります。また、ハイライトの高濃度を補正するために、フィルムをより高いISOで露出する必要があります。
 
以下の例は、 Rollei RPX 400を ISO 800/27°で露出したものです。
シーンの中にはコントラストが非常に高いものもありますが、このフィルムと現像液の組合せは、シャドウディテールとハイライトディテールを保持する点において非常に優れています。
 

【Spurの現像液について】

シュプールは、多種類の現像液を提供しています。

それら全てに共通しているのは、単なる古い現像液のリミックスやリネームなどではなく、本当の意味で「新しい現像液」であるということです。

これら現像液の背後にいる開発者のヘリバート・シェイン氏は、ケルンで写真工学を学び、1979年にフォトケミストリ(写真化学)エンジニアとしてのディプロマを修了しています。

彼の主な研究は「酸性およびアルカリ性のPh範囲における2,4-ジアミノフェノールの現像特性について」(「2,4-ジアミノフェノール」は「アミドール」としても知られています)でした。

今日では、デジタル写真に引き継がれたため、フォトケミストリを学べるこの学部は存在せず、もはや教える者の存在しない学問となってしまいました。
フォトケミストリは非常に複雑なトピックであり、通常の化学者はあまり知識を持っていません。フォトケミストリーは死にゆく科学なのです。

シェイン氏はまた、他の企業向けにも現像液を開発していますが、それらは”SPUR(シュプール)”のブランド名のもとでは販売されていません。

シュプールは、Adox CMS やAgfa Copex Rapid のようなドキュメントフィルムを、通常の写真撮影用途として使用可能にする特別な現像液のメーカーで知られています。
しかし、彼の「普通の」フィルム用の現像液もまた、例外なく素晴らしいものです。

シュプールのトレードマークは、非常に詳細なデータシートであり、フィルムをどのように露出し、現像するべきかについて正確に指示しています。
また、シェイン氏は、現像液の環境への悪影響を可能な限り小さく抑えるよう、常に努めています。

現像液の種類はかなり多いため、各現像液の特別な機能について、以下にごく短く要約しました。
どの現像液があなたの目的に適しているかの判断にお役立てください。

SPUR 製現像液クイックガイド:

Acurol N : 高シャープネス、細やかな色調
Dokuspeed SL : Agfa Copex Rapid専用ドキュメントフィルム特別現像液
HRX: 最微粒子現像液
SD 2525 : マイクロコントラスト、高シャープネス
SLD : 高感度現像液
Speed Major : 高感度現像液、プッシュ現像液
Nanotech UR : Adox CMS II および SPUR Othopan UR 専用ドキュメントフィルム特別現像液

【SPUR New Film Test: Orthopan UR with Nanotech UR】

シュプール社のヘリバート・シェイン氏は、非常に熟練の写真化学者です。
ワールドワイドで見ても世界最先端を行くフォトケミストであると言ってよいでしょう。

その彼の最新の現像液が、「SPUR Nanotech UR」です。
この現像液は、ドキュメントフィルムのためのもので、 ISO 50/18°の驚くほどの高感度に達します。

これについて、「SPUR オルソパン UR」フィルムとの使用で、最高感度 ISO 50/18°の素晴らしい結果が得られたことを、先日お伝えした通りです。

また、このフィルムはその高い解像度が評価され、ドイツ Oberkochen のZeiss社が、彼らのレンズの一つで解像度の記録を設定する際のフィルムに採用されています。

詳しくはこちらの3ページをご覧ください:
https://www.zeiss.com/…/…/pdf/en/cln_archiv/cln24_en_web.pdf
(現像は、ナノテク UR の前身バージョンで行われました)

さて、モーグはこの「SPUR オルソパン UR」フィルムで撮影テストを行いました。

以下は、「SPUR ナノテク UR」で現像された、「SPUR オルソパン UR」フィルムのサンプルスキャンです。
2通りの異なるフィルム感度 ISO 12/12° と ISO 50/18° で撮影されています。

異なるフィルム感度を有するフィルムは、一緒に現像することはできません。
また、異なるフィルム感度では、希釈度と現像時間もそれぞれ異なります。

ISO 12/12°で撮影されたフィルムは、正午の明るい日差しで撮影されています。
一方、ISO 50/18°で撮影されたフィルムは、曇りの日に撮影されています。

フィルムと現像液は、晴れた日の高コントラストを非常にうまく処理しています。
曇り日の撮影における現像は、N + 1現像に等しいです:ネガのコントラストが高くなります。

シュプール オルソパンURフィルム、シュプール ナノテクUR現像液、およびキットは、現在オンラインショップからご購入できます。

そして…ナノテクUR現像液は、Adox CMS II にもお使いいただけます。
非常に高感度 ISO 40/17° に達します!!